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田舎出身大学生の成長日記

大学生と古本

大学生は総じて暇な生き物です。

部活やら勉強やらで忙しい大学生も多々いますが、文系の2年生なんて大半暇です。

 

大学生の暇つぶしで一番多いのはスマホゲームとかでしょうか。結構みんなやっています。僕もいろいろスマホゲームをやってみるんですが、何せ根が飽きっぽいので大体1週間持たずにアンインストール。ケータイのデータ通信量をケチって月1ギガくらいで契約しているので、外じゃうかつにスマホゲームもできない。

 

そんなわけで大学生になって始めたのが古本屋通い。勿論買うのは文庫本。まあ、古本屋といっても某有名全国チェーンの店ですが。学校あるときは週の半分以上は行きますね。

 

古本屋に入って最初に行くのは時代小説のコーナー。しかも108円の。大学生だからお金もそんなにあるわけではないんですが、100円ならいいか、ということでついつい買ってしまいます。何故時代小説なのかというと、そもそも歴史好きだからというのが一番大きいのですが、総じて堅っ苦しいので読むのに時間がかかるということもあります。安い価格で長く読む。お得感が半端ありません。

 

108円コーナーのあとは時代小説の通常価格コーナー。このコーナーでは基本的に買い物はしません。品定めをします。というのも、このコーナーからしばらくすると108円コーナーに移動する本があるからです。都心にあるものだと本の出入りが激しく、ちゃんと通っていないといつの間にか108円に値下がり売れてしまうのでキチンと目をつけておくことが必要です。定期圏内に2つ店があるので両方に通って目当ての本が見つかる確率をあげるのも大切です。

 

こうして手に入れた本を通学時電車の中で読む。至福のひと時です。スマホと違い目にそこまで負担がかからないのでいつまででも読めます。スマホつついてるより真面目な大学生感を醸し出せるのもいいです。時代小説なんで「歴史の勉強になる」と小説読み腐ってる自分に言い訳できるのも大きいかも。

 

集めた古本を並べて眺めてみると、100円で好きなのバンバン買っているので自分の本の好みがモロわかります。自分の場合、時代小説の妖怪物や中国物が多いですね。

かつ、シリーズものが主です。古本なのでシリーズ全巻全部出てる作品が多く、次を待たなくてもいいのがシリーズものを買ってしまう原因です。出版社が売れると判断しているからシリーズものにしてるんだろうな、という安心感もあります。

 

気が付いたら全巻そろっていた時代小説のシリーズものをいくつか紹介します。

 

「嶽神」(長谷川卓)全6冊

戦国時代、山に住む人々が里者の戦争に否応なく巻き込まれていく話。

基本的に舞台は山の中。戦国時代の小説には珍しいですね。ただ、忍者との戦闘シーンが多く、戦国時代らしい血なまぐささです。

もちろん戦国大名も武田や上杉など色々登場しますが、主人公は山に集落を構え里者とは一線を画す人々。本当にこのような人々がいたのかどうかわかりませんが、戦国時代が別の角度から見えてきます。

最初に買った理由は、100円コーナーで一番分厚かったから。

題名は違いますが、話のつながる作品が同じ作者のもので2冊ほどあります。全然売ってませんが。

 

蒼穹の昴」(浅田次郎)全4冊

前にドラマになっていたそうです。

舞台は清朝末期の中国。極貧の少年・春児と郷紳の子・梁文秀が、滅びゆく王朝の最期を支える話。

基本的に史実に忠実です。ただ、架空の人物と実在の人物が入り乱れているので、読む前か後に史実をチェックしておくことをお勧めします。主人公はふたりとも架空の人物です。

しかし、清朝末期の動乱がドラマチックに描かれており、歴史に詳しくなくてもかない楽しめます。清の滅亡に日本が決して無関係でなかったことも思い知らせれます。

 

「四十郎化け物始末」(風野真知雄)全3冊

これだけ妖怪ものです。

家族を支えるため、江戸を舞台に妖怪退治を請け負う中年浪人・四十郎の活躍を描いた作品。

一言でいえば妖怪のでない妖怪物。だからそんなに怖くありません。文章あっさりかつ本も薄いのですぐ読めます。あまり重くない時代小説です。

この作者の時代小説は基本的に読みやすく本も薄いので手が出しやすいです。NHKドラマになった「妻はくノ一」とそのスピンオフ「姫は三十一」などのシリーズもお勧めです。

 

 

100円で買っても面白い小説は何回も何回も読み返してしまいます。お得感倍増です。

 

ただ、作者の今後の創作活動のことを考えるとちゃんと書店で購入し、印税収入を増やすべきだとは思います。大学卒業したら還元しますので、それまでは勘弁していただきたいですが…。

 

大学卒業まで古本屋通いは止まらないでしょうね。僕の大学生活と古本は切っても切り離せないです。